着物の袖はなぜあるの?
お着物で仕事をしていて思うこと
「袖が邪魔!!!」
ということです。(笑)
和食レストランでサービスをしていると
店内もさほど広くないので
帯や袖が邪魔だなぁと感じることは多々あります。
料理を出すときに袖をおさえなければいけないから、お皿を2枚もてないんですね。
なので、洋装の時に比べて
サービスの時間がかかってしまいます。
下げものをするときも、
トレーをどこかに置いて下げないと
袖がかかって汚れてしまいます。
懐石料理のお店なんかは
お着物でのサービスが基本ですし、
しやすい空間になっていると思いますが。
けれども、そうでない和食店だと
まぁまぁ邪魔に感じてしまいます。
機能性のない、あの袖は
なんのためにあるのか、、、
「おしゃれ」
「ファッション性」
とのことでございました。(笑)
昔は振りのない袖だったみたいですけど
こんな感じで袖も長くなく、閉じています。
江戸時代あたりに今の着物の形ができたとされています。
鎖国により日本独特の文化が開花していった頃ですね。
この頃から着物も華美になり、
袖の長さや着丈も長く、派手になり
今みたいな着物の形になりました。
袖が長い方がかわいい♡っていう
流行りがあったんですね。
独身女性は長い袖の着物を着て
「ステキな男性がきますように、、♡」
なんておまじないをかけていたそうです。
本質は今の女の子たちと変わらないですね。
ピアスやイアリングも機能性はないけど可愛い
ネイルも機能性はないけど可愛い
破れたデニムも機能性はないけど可愛い
それと同じで、
着物の袖も機能性はないけど可愛い
ってことです。(笑)
ただ、昭和初期から戦前にかけて
「長い袖はもったいない!」
「女性も働こうよ!!」
などの声があったらしく今の長さくらいに
袖が落ち着いたとされています。
----
そんな着物の袖にまつわる
日本ならではの言葉や昔の風習いくつか紹介。
「袖を振る」
好きな人の魂を自分の方においでおいで〜と
引き寄せるように袖を振る恋の仕草です。
好きな人にフラれたとかの言葉として今も残っています。
求愛の振りと拒否の振りがあったんですって!
「暑い時に袖であおぐ」
今は扇子であおいだ方が上品に見えますが
昔の人はそういった工夫もしていました。
「恥ずかしい時に袖で顔を隠す」
これは想像しやすいですよね。
歌舞伎でも見る仕草です。
なぜだか上品に見える照れ姿です。
「大切なものを袖に乗せて渡す」
などなど
昔の人は袖をうまく使っていたようです。
----
邪魔だと思う袖も
昔の人が考えていたおしゃれなんだなぁ
と思うとおもしろいですね。
現代風にアレンジした着物が
もっとあってもいいのになぁなんて思ったのでした。
ma☆miko